PI(Principal Investigator)

番 浩志

視知覚、視覚手掛かりの統合、fMRI、心理物理学

所属:

情報通信研究機構(NICT)
未来ICT研究所
脳情報通信融合研究センター
脳情報通信融合研究室
主任研究員

その他の所属:

大阪大学大学院生命機能研究科 招へい准教授

住所:

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-4

Email: 

ban.hiroshi at nict.go.jp


私は、ヒトの視知覚と物体認知機能に興味を持って研究をさせていただいております。特に、非侵襲的な脳機能イメージング手法(fMRIなど)を用いて、ヒト脳内で「2次元の網膜入力からどのように3次元構造が再構成されるのか」、「局所的な視覚情報はどのように大局的な物体構造へと統合されるのか」、「複数の異なる視覚手掛かりはどのように統合されているのか」、「断片的で不完全な視覚情報からどのように知覚像が補完されるのか」といった問題の解明に取り組んでおります。

ヒトの後頭葉、視覚野に位置する個々のニューロン(神経細胞)は、空間的に限られたごく狭い範囲からしか入力を受けていません。それにもかかわらず、私たちは左右の眼を通して外界を即座に、途切れなくまとまった1つの全体として知覚できます。では、個々のニューロンの活動は脳内でどのように統合され、知覚へと至るのでしょうか?この謎は、視覚の神経科学・心理学が解かなければならない1つの重要な問いです。ヒトの視覚システムや知覚内容は、カメラや写真との比喩で説明されることが多いですが、実際にはヒトの視覚システムはカメラよりもはるかに高度で複雑な処理機構を持っています。ですから、上に挙げたような問題を明らかにすることは、神経科学・心理学の基礎的な知識を蓄積するとともに、未来の新しい情報通信技術(ICT: Information and Communications Technology)を開発することにも繋がる非常に重要な研究テーマです。

最近は、VR(バーチャル・リアリティ)技術と3D映像や3D風景写真を用いて、より自然で広視野に及ぶ立体視環境でヒトの視知覚・認知機能を調べる研究や、そのための実験プログラムの開発も進めております。たとえば、ヒトが「臨場感」や「没入感」、そして「立体感」を得るためには、VR映像に最低どのような手掛かりがどれほど必要なのでしょうか?昔の心理学の論文に、白黒だった夢に色がついたのはカラーテレビが普及してからだという報告があります。もしかしたら、VR技術の登場でまさに今、夢の形が再び変わりつつあるのかもしれません。この最新技術とそれがもたらす新しい研究環境を一緒に追求しませんか。

私たちのグループではこうした研究にご興味をお持ちの学生の方々、ポスドク研究員の方々を随時募集しております。ぜひお気軽にご連絡ください。一緒に面白い共同研究をしましょう。見学だけでも大歓迎です。

主要な業績:

Chang, D.H.F., Troje, N.F., Ikegaya, Y., Fujita, I., Ban, H. (2021).
Spatiotemporal dynamics of responses to biological motion in the human brain. Cortex. 136, 124-139.

Armendariz, M., Ban, H., Welchman, A.E., Vanduffel, W. (2019).
Areal differences in depth cue integration between monkey and human. PLOS Biology, 17(3): e2006405.

Dekker, T., Ban, H., van der Velde, B., Sereno, M.I., Welchman, A.E., Narandini, M., (2015).
Late development of cue integration is linked to sensory fusion in cortex. Current Biology, 25(21), 2856–2861.

Funayama, K., Minamisawa, G., Matsumoto, N., Ban, H., Chan, A.W., Matsuki, N., Murphy, T.H., Ikegaya, Y. (2015).
Neocortical rebound depolarization enhances visual perception. PLOS Biology, 13(8): e1002231. Doi:10.1371/journal.pbio.1002231.

Ban, H., & Yamamoto, H. (2013).
A non-device-specific approach to display characterization based on linear, non-linear, and hybrid search algorithms. Journal of vision, 13(6):20, 1–26.
開発したソフトウェアは下記よりダウンロード、お試しいただけます:
https://github.com/hiroshiban/Mcalibrator2

Ban, H., Preston, T.J., Meeson, A., Welchman, A.E. (2012).
The integration of motion and disparity cues to depth in the dorsal visual cortex. Nature Neuroscience, 15(4): 636-643.
(Nature Neuroscience 15(4)のNEWS & VIEWSで論文内容がハイライトされました)

これまでに開発・公開したソフトウェア等 (本機構着任前を含む)
https://github.com/hiroshiban

略歴:

2021 情報通信研究機構(NICT) 脳情報通信融合研究センター 主任研究員
2013 大阪大学 大学院・生命機能研究科 招へい准教授
2013 情報通信研究機構(NICT) 脳情報通信融合研究センター 研究員
2010-2013 日本学術振興会 海外特別研究員
(英国バーミンガム大学心理学部 研究員 (Zoe Kourtzi博士、Andrew Welchman博士))
2009-2010 英国バーミンガム大学心理学部 研究員 (Zoe Kourtzi博士、Andrew Welchman博士)
2007-2009 京都大学こころの未来研究センター 助教

受賞歴:
2021 令和2年度情報通信研究機構 部内表彰 (団体、脳情報通信融合研究センター外部・企業連携チームの1員として)
2020 HKU Social Sciences Outstanding Research Output Award (Basic Research) 2018-2019 (香港、共同発表)
2018 Poster Presentation Award, Social and Affective Neuroscience Society (共同発表)
2017 Best Presentation Award, Human Neuroimaging Workshop (ヒト脳機能イメージング研究会) (共同発表)
2017 Travel Award (Vision Science Society, Annual Conference, 2017) (共同発表)
2016 平成27年度情報通信研究機構 部内表彰 (団体、脳情報通信融合研究センター国際化チームの1員として)
2014 NICT関西3拠点合同研究会 研究奨励賞 (筆頭発表者)
2011 Travel Award (Vision Science Society, Annual Conference, 2011) (共同発表)
2007 日本視覚学会ベストプレゼンテーション賞 (筆頭発表者)
2006 電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション賞 (筆頭発表者)
2004 電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション賞 (筆頭発表)

Lab Members:

研究員
・相原 孝次
・Bayu Gautama Wundari

研究補助
・村上 奈緒美
・林 美保