山下 宙人

ヒト脳活動のモデル化 : 複数データ統合による解決
所属:
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
脳情報解析研究所
計算脳イメージング研究室(CBI) 室長
その他の所属:
理化学研究所 革新知能統合研究センター
計算脳ダイナミクスチーム チームリーダ (兼任)
Fax:
0774-95-1259
住所:
京都府相楽郡精華町光台2-2-2

ヒトの神経情報処理メカニズム、特に情報処理ダイナミクスを解明することを目的として、革新的な解析方法の研究開発を行っています。

会話、スポーツ、家事など日常行動は、複数の脳領野がダイナミックに連携することによって生じていると考えられます。このような日常行動を脳情報処理の観点から理解するためには、脳領野間の情報のやりとりを計測・定量化する方法が必要となります。現在、ヒトの脳活動を手術することなく計測する技術として、核磁気共鳴機能画像法(fMRI)、脳磁図(MEG) 、脳波(EEG)、近赤外光分光計測(NIRS) などさまざまな方法がありますが、1つの脳計測に頼っていては脳の動的な情報処理を解明するのに十分な情報を得ることができません。複数の計測情報を組み合わせ長所を伸ばし短所を補うことによって、1つの脳計測では得られない新しい脳の側面を見ることが期待されます。当研究室では”複数データ統合”によるアプローチを中心に研究開発を行っています。

当研究室では、MEG/EEG/fMRI/NIRSデータを生成する統一シミュレータの作成、脳活動のネットワークダイナミクス推定法、日常の脳計測法として期待されれているNIRS計測の高度化(光拡散トモグラフィ法の研究)の研究を現在進行形のプロジェクトとして行っています。

主要な業績:

Tokuda, T., Yamashita, O., & Yoshimoto, J. (2021). Multiple clustering for identifying subject clusters and brain sub-networks using functional connectivity matrices without vectorization. Neural Networks, 142, 269-287

Suzuki, K., & Yamashita, O. (2021). MEG current source reconstruction using a meta-analysis fMRI prior. NeuroImage, 118034.

Yamashita, A., Sakai, Y., Yamada, T., Yahata, N., Kunimatsu, A., Okada, N., … Yamashita, O & Imamizu, H. (2020). Generalizable brain network markers of major depressive disorder across multiple imaging sites. PLoS biology, 18(12), e3000966.

Yamashita O.,Shimokawa T., Aisu R., Amita T., Inoue Y., Sato M. (2016), “Multi-subject and multi-task experimental validation of the hierarchical Bayesian diffuse optical tomography algorithm.” NeuroImage, 135, 287-299

Yamashita O, Sato M, Yoshioka T, Tong F, Kamitani Y (2008). “Sparse estimation automatically selects voxels relevant for the decoding of fMRI activity patterns”. Neuroimage. Vol.42(4):1414-29.

略歴:

2016 Team leader of Computational Dynamics Team (Concurrent post), Center for Advanced Intelligence Project, RIKEN
2013 Department head in ATR, Department of Computational Brain Imaging
2004-2013 Researcher in ATR, Computational Neuroscience Laboratories
2004 Phd in statistics, The Graduate University for Advanced Studies, Department of Statistical Science