若宮 直紀

脳や生体に学ぶ情報通信技術
所属:
大阪大学大学院情報科学研究科 教授
Fax:
06-6879-4359
住所:
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-5

私は、従来にない効率性や頑健性を有し持続発展できる情報通信システムを実現するための、全く新しいネットワーク技術やネットワークの設計手法に関する研究をしています。

情報通信システムは、その誕生以降、構造的にも機能的にも大規模化、複雑化を続けており,結果として、想定外の変動や故障に対して極めて脆弱になっています。そのため、これまでとは桁違いに適応的で頑健な新しい情報通信インフラを構築するための、アルゴリズムや機構、アーキテクチャの研究開発が進められています。

一方で、脳や生体は、複雑で大規模なシステムでありながらも、省エネで適応的かつ頑健です。また、簡単な振る舞いをする要素が集まることによって、複雑な情報処理や、群知能のような高次な機能を創発することができます。そこで、新しいネットワークの設計原理として脳や生体の仕組みや原理を応用することが効果的だと考えられます。

これまで、脳や生体の仕組みに学ぶ経路制御手法を研究開発し、経路計算における計算量や消費電力を従来技術の約1/1000に低減できるだけでなく、突然のトラヒック増などの予期しないネットワーク変動に対してより高い適応性と頑健性を達成できることを確認しました。また、無線センサネットワーク自身がニューラルネットワークとして情報処理を行う脳型無線センサネットワークを提案しています。

主要な業績:

T. Sakaguchi, and N. Wakamiya, “Consideration on liquid structure contributing to discrimination capability of Liquid State Machine,” Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE, vol. 11, no. 1, pp. 36-59, 2020.

H. Yang, N. Wakamiya, M. Murata, T. Iwai, and S. Yamano, “Autonomous and distributed mobility management scheme in mobile core networks,” Wireless Network, April 2016.

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