下川 哲也

所属:
大阪大学大学院情報科学研究科
特任准教授
Specific Research Topic:
ディフォルトモードネットワーク、レチノトピー写像、複雑ネットワーク解析
住所:
大阪府吹田市山田丘1-5 大阪大学大学院情報科学研究科

ヒトの脳は一千億個もの神経細胞で構成されており、その消費電力は約20ワットといわれている。
こうした大規模でエネルギー的にも効率よく動作する脳ネットワークに触発され、
私は、ここCiNetにおいて、脳的な仕組みや構造に基づく未来型情報ネットワークおよびコミュニケーション技術設計
の研究に携わることにした。

近年、脳科学分野においてグラフ理論に基づくネットワーク解析がとても注目を浴びるようになってきた。
そうしたこともあり、私は現在、fMRI実験データから抽出した機能的脳ネットワークの複雑ネットワーク解析の研究を進めている。
特にネットワークにおけるモジュール構造はとても興味深い。なぜならそれぞれのモジュール構造は脳における機能単位と
対応付けることができるからである。モジュール構造が脳ネットワークの頑強性維持において重要な役割を
担っていることを示唆する研究もあることから、アルツハイマー病や統合失調症、自閉症などといった脳疾患の指標として使える可能性も考えられる。
将来的には、私の研究結果をこうした臨床応用に適用することも計画している。

主要な業績:

Tetsuya Shimokawa, Kenji Leibnitz, Ferdinand Peper:
“Stochastic stability of a neural model for binocular rivalry”
Proceedings of the 2012 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications (NOLTA2012), pp. 739-742, Oct. 2012.

Tetsuya Shimokawa, Kenji Leibnitz, Ferdinand Peper:
“Complex network analysis of retinotopic maps in the human brain”
Proceedings of the 2013 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications (NOLTA2013), pp. 122-125, Sep. 2013.