2024年4月26日　　Friday Lunch Seminar （英語で開催します）
12:15 〜 13:00
CiNet棟大会議室にて開催

演題：集合的予測符号化: 分散的ベイズ推論としての記号創発

京都大学
大学院情報学研究科
教授　谷口 忠大

担当PI : 中野 珠実

Abstract:
人間は実世界環境適応の延長線上に、言語進化を経て現在の言語（記号）システムを創発的に形成してきた。近年、そうして形成された言語を大量に予測学習することによって言語理解や生成を実現する大規模言語モデルが注目されている。一方で、言語そのものを実世界環境適応の延長線上で形成する知能の計算論は十分に理解されていない。講演者は記号創発システムという概念を提出し、その構成論的アプローチとしての記号創発ロボティクスの研究を展開してきた。その議論の上で講演者は記号創発をマルチエージェント系における分散的ベイズ推論として解釈する集合的予測符号化という枠組みを提案している。本講演では記号創発システムと集合的予測符号化の概念に関して紹介しながら、記号創発に関わる近年の研究成果や、人間と AI ロボットが共生する未来社会に向けた理論構成の可能性に関して議論する。