不二門 尚: “デジタルデバイスと眼の疲労”

2019年03月29日  Friday Lunch Seminar
12:15 〜 13:00

CiNet 1F Conference Room

“デジタルデバイスと眼の疲労”

不二門 尚

大阪大学大学院医学系研究科
感覚機能形成学 教授
CiNet PI

Abstract:

近年スマートフォン、ヘッドマウントディスプレー(HMD)などのデジタルデバイスが普及し、成人では眼精疲労の増加、小児においては近視発症の早期化、スマホ内斜視等が懸念されている。視距離はスマートフォンでは平均20cmで、紙ベースの30cmより、調節/輻湊努力を必要とするため、眼疲労を起こしやすい。HMDで3D映像を見る場合は、輻湊と調節の解離が起き眼疲労を来しやすい。当研究室では、両眼の屈折・輻湊を同時に、経時的に測定できる両眼波面センサーに、入射光量を制御できる液晶シャッターを組み込み、眼疲労の定量化を試みている。日本人の多くは近見時に外斜位があり、片眼に入射する光量を低下させると斜視の状態になる。立体映像視聴後に、本測定を行うと、斜視となる入射光量は自覚的な疲労度の増加とよく相関することを見出した。本講演では、このような、デジタルデバイスによる眼疲労の定量化と、対策に関して述べる。

About CiNet’s Friday Lunch Seminars:
The Friday Lunch Seminar is CiNet’s main regular meeting series, held every week at 12:15 in the beautiful main lecture theatre on the ground floor at CiNet. The talks are typically 40mins long and orientated towards an inter-disciplinary audience. They are informal, social, and most people bring their own lunch to eat during the talk. They are open to anyone who is feeling curious and wants to come, regardless of where you work.