CiNetの特別顧問、NICT招へい専門員の小川誠二が、このたび第22回慶應医学賞を受賞しました。(2017年9月11日発表)
授賞研究テーマ: 機能的MRIの開発
慶應医学賞公式ホームページに依ると、今回の受賞理由は、「脳血流中の酸素濃度に依存した信号をMRI(核磁気共鳴画像法)装置で撮像できることを発見し、BOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)信号と名付け」、「BOLD信号によって課題遂行中のヒト脳活動部位を撮像できることを実証し、機能的MRIの基本原理を確立」に貢献した点にあります。
CiNetは設立当初より、小川誠二先生を特別顧問にお迎えし、4台のMRIを駆使した計測法の開発や脳機能解析を進めてきました。20年以上前にBOLD法が開発された頃は、脳内の機能部位同定に良く用いられていましたが、近年は、機械学習の手法やコンピュータ技術の発展と相まって、人間の脳情報を読み解く研究やネットワーク解析で神経疾患の特徴解析にも応用されてきています。
CiNetの研究員西本伸志の脳内知覚情報のデコーディング、Ben Seymourの脳内痛みネットワーク発見、下川哲也の統合失調症患者の脳内ネットワーク解析、春野雅彦の扁桃体活動パターンからのうつ傾向変化予測法の開発などの優れた研究成果が生まれています。これらは、すべて、小川誠二先生のBOLD法を活用しており、先生の脳機能計測・解析分野への多大な貢献が認められます。
慶應医学賞公式ホームページ
http://www.ms-fund.keio.ac.jp/prize/index-j.html