2014年11月10日 15:00 〜 16:30
CiNet 1F 大会議室
TV 中継:スコット・ワデル教授
Centre for Neural Circuits and Behaviour, The University of Oxford,
Abstract:
学習は、動物の生得的、反射的な刺激に対する行動反応を、意味のある刺激応答行動に変換する。そのような感覚-運動変換が、どのようにして神 経系の中で実行され、また、改変されるかは大変興味深い。ショウジョウバエでは生得的な臭いに対する行動反応は再編成可能で、臭いにさらすと ともに砂糖の報酬を与えるとその臭いの方向に向かうようになり、逆に、臭いとともに懲罰を与えるとその臭いを避けるようになる。近年、臭いの コード化、また学習の神経メカニズムに関する理解は、かなり進んできた。しかし、末梢の臭いに対する反応が行動の実行にどのように変換される か、また、その変換が学習によってどのようにして再編成されるか、という問題は未だ不明である。その臭い選択行動の学習をおこさせるシナプス 可塑性を担う箇所を同定したことを示唆している最新の我々の実験に関して議論する。