研究者

坂野 雄一

所属:

情報通信研究機構(NICT)
脳情報通信融合研究センター
研究員

Specific Research Topic:

人間の視知覚

その他の所属:

大阪大学 大学院生命機能研究科 招へい教員

Phone: 

0774-98-6410

Fax: 

0774-98-6967

住所:

〒619-0289 京都府相楽郡精華町光台3-5

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私は、心理物理学的手法と脳活動イメージングの手法を利用して、人間の視知覚(視覚情報による知覚)のメカニズムを調べています。

ここ数十年で、情報通信技術(ICT)は驚くほど発達し、その結果、私達をとりまく電子機器の性能は非常に高まっています。しかし、それらの電子機器は必ずしも人間中心のデザインにはなっていません。私は、人間の視知覚のメカニズムを調べることにより、それらの機器を人間にとって適したものにするための方法を解明しようとしています。

例えば、人間はものの光沢(つや)を一瞬で判断することができます。光沢の判断は、実は計算論的には非常に困難な問題なのですが、私達は、人間が、両眼における明るさの違いや、頭を動かしたときのものの明るさの変化によって光沢を判断していることを明らかにしました (Sakano & Ando、 2010)。そして、その知見を利用して、多視点立体ディスプレイと呼ばれる、目の位置によって異なる映像を表示するディスプレイが、実は立体感だけではなく、光沢感の再現性にも優れていることを明らかにしました (Sakano & Ando、 2012)。さらに、光沢知覚の特性から、多視点立体ディスプレイならどのようなものでも光沢感の再現性が良い訳ではなく、視点数が多く、また、クロストークが適度に少ないことが必要であることを明らかにしました。したがって、ものの質感の再現性が重要である状況、例えば、インターネットショッピング、デジタルミュージアム、自動車のデジタルモックアップなどにおいて、上記の特徴を持った多視点立体ディスプレイを用いることがよいことがわかりました。

今後は、光沢感以外の視覚特徴においても研究を進め、あらゆるICTにおいてそのデザインを人間中心とするための手法を明らかにし、より暮らしやすい豊かな社会の実現に貢献したいと考えています。

主要な業績:

Wada, A., Sakano, Y., & Ando, H. (2014). Human cortical areas involved in perception of surface glossiness. Neuroimage, 98, 243-257.

Sakano, Y., & Ando, H. (2012). Psychophysical evaluations of a current multi-view 3-D display: Its advantages in glossiness reproduction. Journal of the Society for Information Display, 20(5), 286-292.

Sakano, Y., & Ando, H. (2010). Effects of head motion and stereo viewing on perceived glossiness. Journal of Vision, 10(9):15, 1-14.